この世にあるすべての物質はプラスの力を持った原子核とマイナスの力を持った電子からできています。
普段は物質内のプラスとマイナスの力がバランスよく存在するため、静電気が起こることはありません。
しかし、性質の異なる二つの物質が出合い、影響を及ぼし合うことでマイナスの力である電子が移動し、バランスが崩れることがあります。
このプラスとマイナスの力のバランスの崩れが静電気発生の原因です。
またこの静電気が発生している状態のことを“帯電している”といい、バランスの崩れを元に戻そうとする作用によって“放電”が起こります。
衣服同士や人体と衣服との摩擦により人体が帯電し、ドアノブなどの金属に触れることで放電が起こるため、人は痛みや衝撃を感じます。
人が感じる痛みや衝撃の静電気はおよそ3000Vからと言われています。
人体の静電気の量(帯電量)を痛みや衝撃を感じないレベルまで下げることが出来れば、静電気による苦痛やストレスを回避することができます。
湿度が高い場合と低い場合で人が同じ動作を行うと、湿度が低い方が人体の帯電量は多くなります。
秋から冬にかけて放電による痛みや衝撃を感じやすいのも、このためです。
20℃程度の室内で湿度をおよそ60%程度することで静電気の発生を抑え、痛みを伴うような放電が起きにくくなります。
乾燥肌の場合も静電気の発生が多くなります。
適度な水分補給やハンドクリームの使用などで人体の保湿を行うことで、静電気の発生を抑え、痛みを伴うような放電が起きにくくなります。
金属に触れると、静電気が瞬間的に流れてしまうため痛みや衝撃の原因になります。
その一方、コンクリートや壁、木製の扉/家具等は金属より静電気を緩やかに流すことができるため、痛みを伴うような放電は起こりません。人体の静電気をあらかじめ逃がすために金属以外の素材に触れてから、ドアノブなどを触ります。
金属に触れる前に帯電量を一時的に減らすことで痛みを伴うような放電が起きにくくなります。
プラスチックやガラス等は絶縁体と呼ばれる静電気を流せない材質で、金属に触れる前に触れても効果がないため注意が必要です。
金属面への貼り付けの場合、アースは不要です。
プラスチック・ガラス面への貼り付けの際は、アースに接続することで効果を最大限に発揮できます。