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1ピースアジャスタブルタイプボトムブラケット (アシュタブラ型)の調整

ここでは、1ピースアジャスタブルタイプボトムブラケット(アシュタブラ型)の調整方法について解説しています。

※日本語字幕はありません

その他必要な物

  • ・ウエス

はじめに

これらのボトムブラケットは、旧式のSchwinn社やJuvenile社、またはいくつかのBMXタイプやビーチクルーザーなどの車種に採用されているタイプのボトムブラケットです。
クランクは1本の硬材から加工されており、片方のペダルから反対側のペダルまで、ボトムブラケットシェルを通してつながっています。
またクランクは、スピンドルの機能も兼ね備えているユニークなシステムです。

これらの1ピースクランクシステムは、市販されるアダプターなどを使用することで、一般的なカートリッジタイプのベアリングに交換することが可能です。

1ピースクランク
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1ピースボトムブラケット ベアリングとクランクの取り外し

1ピースクランクシステムは、スピンドルの役目を同時に持つクランクセットの中央部にコーン、およびロックリング用のネジが切られています。
これらのネジは、車体右側に位置するネジは正ネジ(時計方向に締まる)、車体左側に位置するネジは逆ネジ(反時計方向に締まる)を採用しています。

1ピースクランクシステムを取り外際は、最初に左側のペダルを取り外すことから始めます。
ペダル着脱の詳細については、以下のページをご参照ください。

» Pedal Removal
最初に左側のペダルを取り外す作業から始める
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  • 1. 1ピースクランクの左側にあるロックナットを時計方向に回して緩めて取り外します。作業する際にはParkTool HCW-7 ヘッドスパナ もしくは、モンキーレンチ(PAW-12 )などを使用します。
  • 2. 付属のワッシャーを取り外します。
    注:ワッシャーにはクランクにある溝に合うよう、ずれ止めの突起があります。
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  • 3. HCW-18 またはピンスパナなどを使用して、アジャスタブルコーンを時計方向に回して、1ピーククランクから取り外します。
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4. ベアリングカップに納まっているベアリングを取り外します。

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5. 1ピースクランクを車体右側から抜き取ります。

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  • 6. チェーンリング裏側にある右側のコーンを確認します。
    クリーニングだけでしたら取り外す必要はありませんが、消耗などによって交換が必要な場合は、ベンチバイスに1ピースクランクを固定し、ロックリングを反時計方向に回してコーンを取り外してください。
  • 7. フレームに圧入されているベアリングカップを含む全ての部品を確認します。
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  • 8. 全ての部品を洗浄・脱脂し、点検を行います。
    特に、ベアリングやアジャスタブルコーンは汚れが落ちにくいため CB-4 に漬けてブラシ(GSC-1 )で汚れをこすり落とし、乾燥させます。
    フレーム内のベアリングカップも忘れずに点検しておきましょう。

【ベアリングカップの交換】

通常、オーバーホール作業においては、ベアリングカップを外す必要はありません。
万一、ベアリングカップが消耗、あるいは破損している場合、ポンチなどで取り外すベアリングカップの反対側から叩き出して取り外します。

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【組み付けと調整】

多くの1ピースクランクシステムにはリテーナーボールベアリングが採用されています。
リテーナーボールベアリングには取り付け方向がありますので、必ず装着の前に取り付け方向を確認します。リテーナーボールベアリングの開いている側がコーンに直接当たる形になります。
万一、方向が分からない場合は、リテーナーボールベアリングをコーンに当ててみて、スムーズに回る方を選択してください。

※異なる方向をコーンに当てると、スムーズな回転が得られません。

リテーナーボールベアリングのカットサンプル
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【組み付け手順】

  • 1. ベアリングカップを取り外した場合、BBP-1.2 HHP-2 、またはHHP-3 などを使用してベアリングカップをボトムブラケットシェルに正しく圧入してください。
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  • 2. ベアリングとベアリングカップにしっかりとグリース(PPL-1 など)を塗布します。
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  • 3. 車体右側から1ピースクランクをベアリングと共に挿入します。
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  • 4. 車体左側からベアリング、アジャスタブルコーンの順に装着していきます。それぞれの部品は反時計方向に回して取り付けます。
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  • 5. ワッシャー、ロックナットの順に入れ、反時計方向に回して取り付けます。

【ベアリングの調整】

基本的な調整方法はアジャスタブルタイプボトムブラケットと同様に、1ピースクランクがスムーズに回転し、ガタがない状態に調整します。
わずかな玉当たりの変化によって、ボールベアリングの回転性能やガタは大きく変化します。そのため、ボトムブラケットの調整においては、できるだけ少しづつ調整することが重要です。
ベアリングやカップ、コーンが消耗していたり、破損している場合、スムーズな調整をすることはできません。最も最善の解決策は部品を交換することですが、一時的に調整を行う場合などは、スムーズな回転よりも、ガタの解消を優先させると良いでしょう。

  • 1. 車体左側のロックナットは緩めた状態で保持します。
    静かにアジャスタブルコーンを反時計方向に回し、ちょうどカップとベアリングが接触したポイントで止め、そのまま時計方向に1 / 4回転戻します。
  • 2. アジャスタブルコーンを保持したまま、ロックナットを反時計方向に締めて固定します。
  • 3. 1ピースクランクを上下左右にこじり、ガタがないかを確認します。
    スムーズな回転ながらも、スピンドルにガタがある場合は、アジャスタブルコーンの締めこみが緩い事を表しています。
    また、スピンドルにガタが生じていないが、スムーズな回転を得られていない場合は、アジャスタブルコーンの締めこみすぎを表しています。
  • 4. スピンドルができるだけスムーズに回転し、ガタがない状態ができるまで、この作業を繰り返します。

おすすめ工具

1. リペアスタンド

PCS-9.3
ホームリペアスタンド
PCS-10.3
ホームメカニックリペアスタンド

2. 圧入工具

BBP-1.2
ボトムブラケットベアリングプレスセット
HHP-2
ヘッドワン圧入工具
HHP-3
ホームメカニックヘッドワン圧入工具

3.ヘッドスパナ/モンキーレンチ

HCW-7
ヘッドスパナ
PAW-12
アジャスタブルレンチ

4.ピンスパナ/ボトムブラケットレンチ

HCW-18
ボトムブラケットレンチ
SPA-1
ピンスパナ
SPA-2
ピンスパナ
SPA-6
アジャスタブルピンスパナ

5.グリース

PPL-1
ポリリューブ1000
PPL-2
ポリリューブ1000
HPG-1
ハイパフォーマンスグリース
ASC-1
焼付き防止剤

6.パーツクリーナー

Z-294
オーバーホールクリーナー
CB-4
バイオチェーンブライト

7.ブラシ

GSC-1
ギアクリーンブラシ

8.グローブ

MG-3S / M / L
ニトリルメカニックグローブ

9.ペダルレンチ

PW-3
ペダルレンチ