シングルスピードでのチェーンの張り調整
必要な工具
ここでは、シングルスピードにおけるチェーンの張り調整について解説しています。
次の内容に関する詳細については、以下のページをご参照ください。
»チェーンの取り付け Chain Installation
»チェーンの清掃 Chain Cleaning
»タンデム車のチェーンの張り調整
多段式の自転車の場合、チェーンに対する適切な張り具合の調整は、リアディレーラーが自動的に行うよう設計されています。
しかしながら、フロントとリアに1枚ずつのスプロケットしか取り付けられていないシングルスピードの場合、チェーンに対する適切な張り具合を後車軸の位置を移動させる事で調整する必要があります。
チェーンに対する張り具合が適切でない場合、チェーン外れの発生や著しい駆動効率の減少など、部品の破損につながる原因にもなります。
これらのシングルスピードが採用されているフレームには、一般的に後車軸を移動させるために、正爪(トラック)エンドと呼ばれるフレームドロップアウトエンドである必要があります。
後輪は、フレームに対して真っ直ぐに取り付けられている必要があります。チェーンの張り具合を調整するために、後車軸の固定ナットを緩め、後車軸を前後に移動させます。コースターブレーキやドラムブレーキ、ローラーブレーキなどが取り付けられている場合、ブレーキアームを固定しているボルト類を緩めてから作業を行ってください。
注意:全ての調整が終了した後、ブレーキアームの固定を忘れないように注意してください。
一般的に、チェーンの張り具合を判断する際には、下図のように取り付けられたチェーンの上側の中央部でチェーンを上下に移動させた量で確認します。チェーンの上下の移動量が1 / 2インチ(約12mm)程度であれば適切な範囲と考えられています。ただし、これらの数値は絶対的な数値ではありませんので、使用するフレームやスプロケット、チェーンによって誤差があります。
チェーンの張り具合を調整した後、クランクアームがスムーズに回転するかを確認します。クランクを回転させる際、一部に置いてチェーンの張りが緩くなったり、きつくなったりする事がありますので、それらが最小限になるように調整を行います。
一般的には、チェーンの張りが一番きつい状態で、上下の移動量が1 / 4インチ(約6mm)程度となるように調整できると良いでしょう。