EPAグラウンド

















事例1 グラウンド接続点(EBP)の金属が露出していませんか
規格では、EBPは絶縁材料で覆うことが定められています。
金属が露出した状態は、デバイスへの放電や人体保護の観点から危険です。
ただし当社では、電源系アースと静電気用アースを分けることを推奨しているため、人体保護の観点では、金属が露出しても問題ないと考えます。
しかしデバイスが帯電していた場合、露出した金属に触れると瞬時に放電するため、デバイス保護の観点からは、絶縁材料で覆うことが望ましいと考えます。
よってグラウンド接続箇所は金属が露出しない構造のものを使用するのが望ましいです。
事例2 グラウンドへの経路の点検を行っていますか
対策品は必ずグラウンドに接続する必要があります。
規格では、アイテムがグラウンドに接続されているか、月ごとに点検すること(抜き取り)が定められています。
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事例3 トロリー・カートはグラウンドに接続されていますか
グラウンドに接続されていなければ、対策されたトロリーやカートを使用しても静電気が流れる経路がないため帯電します。
規格でも、保護のないESDSの輸送や移動可能な作業表面として使用する場合は、グラウンドに接続することが定められています。
カートが静電気対策品である場合は、導電性キャスターで床面と接触させ、常時グラウンドへの経路を確保してください。(床が対策されていることが前提となります)
※金属製のチェーンは、埃を拾い導通不良になるリスクがあるため、当社では推奨していません。
天面に対策されたマットを敷くなどして対策している場合、移動中はアースできませんので、移動中は帯電していることを把握したうえで、移動完了時にグラウンドに接続するなどし、グラウンドへの経路を確保するようにしてください。
ESDSが保護包装で包装されている場合は、対策された人体やアースされた作業表面を通じて静電気を除去してから中身を取り出すことを徹底すれば、マットをグラウンドに接続しなくても問題ありません。
事例4 マットはグラウンドに接続されていますか
グラウンドに接続されていない場合、対策されたマットを使用していたとしても、静電気が流れる経路がないため帯電します。
ESDSが置かれる全ての作業表面・保管棚はEPAグラウンドに接続することが定められています。
必ずアース線を用い、グラウンド経路を確保してください。
事例5 椅子はグラウンドに接続されていますか
椅子は、床を通じてグラウンドに接続する場合には、最低二つの車輪、または二つの脚がEPAグラウンドとの経路を構成するようにすることが定められています。
対策品の場合は、導電性キャスターで床面と接触させ常時グラウンド経路を確保してください。(床が対策されていることが前提となります)
※金属製のチェーンは埃を拾い通電不良になるリスクや、椅子に巻き付き宙に浮く可能性があるため、当社では推奨していません。人体と接触する座面や背もたれ等を対策されたカバーで覆い対策する場合は、床からではなく、専用のターミナル等でグラウンドに接続することを推奨します。
グラウンドへの接続が床に頼らない方法のため、床が未対策でも問題ありません。
事例6 履物はグラウンドに接続されていますか
事例7 人体の静電気対策を手袋だけで済ませていませんか
手袋単体では静電気が流れる経路がないため人体の静電気対策にはなりません。
必ずリストストラップや履物-床と併用し、グラウンドへの経路を確保してください。
以下は、対策された手袋だけでは静電気対策にならないことを示した実験動画です。
事例8 セル台に敷設した静電気対策マットのアース線を静電気対策アイテム経由(対策された床や近くのマット経由)でグラウンドに接続していませんか

静電気対策アイテムから静電気対策アイテムを経由してグラウンドに接続すると、自身の性能が他方の性能に依存してしまうため望ましくありません。
また、RCJS規格では、1MΩを超えない抵抗を介して、グラウンドに接続することが規定されています。
マットを介してグラウンドに接続すると、1MΩを超えてしまう可能性があります。
ただしRCJS-TR-5-2では、椅子やカートなど移動して使用する静電気対策アイテムについては、床面を介したグラウンド接続が可能という記載があります。
環境上、やむをえず静電気対策アイテム経由でグラウンド接続をする際には、定期点検の測定ポイントにご注意ください。必ず定期的に点間抵抗およびEPAグラウンド抵抗の測定を行い、規格値内に収まっているかどうかをご確認ください。
事例9 対策された床の上でフロアマット等を使用する場合、アース線を使用していませんか
床が確実にアースされており、上に使用するマットが既設のマットに密着する状態であれば、アース線は不要です。
ただしマット+床の抵抗が規格値に収まっていることが必要となります。
マット自身の抵抗は正常でも、床の抵抗が高いと、マットのEPAグラウンド抵抗は高くなってしまいます。
必ず定期的に点間抵抗およびEPAグラウンド抵抗の測定を行い、規格値内に収まっているかどうかをご確認ください。
マットの抵抗値が床に依存するのを避けるためには、床が静電気対策されていてもアース線をマットに繋ぐ方法が確実です。
事例10 座り作業時のグラウンド経路はリストストラップですか
座り作業時はリストストラップでグラウンドに接続することを推奨します。
座り作業時に靴-床を人体の主要なグラウンド経路とすると、作業者が椅子の脚に足を乗せるなどして、確実なグラウンド接続が出来なくなる可能性があるため危険です。
事例11 机の下にワイヤーを張るなどして、グラウンドに接続していませんか
規格では、EBPは絶縁材料で覆うことが定められています。
ワイヤーにワニ口クリップをはさむような接続方法は金属部が露出するため適切ではありません。
金属が露出した状態は、デバイスへの放電や人体保護の観点から危険です。
ただし当社では、電源系アースと静電気用アースを分けることを推奨しているため、人体保護の観点では、金属が露出していても問題ないと考えます。
しかしデバイスが帯電していた場合、露出した金属に触れると瞬時に放電するため、デバイス保護の観点からは、絶縁材料で覆うことが望ましいと考えます。
専用のターミナルの使用をおすすめします。
ワニ口クリップの使用は、あくまでもグラウンドに接続できない場合に、対象物と同電位にするために使用するにとどめてください。
事例12 マットを介して、リストストラップをグラウンドに接続していませんか
RCJS規格では、1MΩを超えない抵抗を介して、グラウンドに接続することが規定されています。
マットを介してグラウンドに接続すると、1MΩを超えてしまう可能性があります。
また人体のグラウンド経路がマットの性能に依存する形となります。
専用のターミナルを使用すれば、上記のリスクなく管理することが可能です。
上記リスクを問題ないとする場合は、リストストラップからマットのアースまでのEPAグラウンド抵抗が、規格値を満たしているか管理をしてください。
またNG判定が出た場合は、マットがNGなのかリストストラップがNGなのか特定する必要があります。
※今回の場合、リストストラップは日次点検が定められているため、点検の方法や頻度を考えると、あまり現実的でないように思います。
また、ワニ口クリップの使用は金属が露出するため望ましくありません。規格でも、EBPは絶縁材料で覆うことが定められています。
金属が露出した状態は、デバイスへの放電や人体保護の観点から危険です。
ただし当社では、電源系アースと静電気用アースを分けることを推奨しているため、人体保護の観点では、金属が露出していても問題ないと考えます。
しかしデバイスが帯電していた場合、露出した金属に触れると瞬時に放電するため、デバイス保護の観点からは、絶縁材料で覆うことが望ましいです。
ワニ口クリップの使用はあくまでもグラウンドに接続できない場合に、対象物と同電位にするために使用するにとどめてください。